2008年 05月 09日
ドック、ドック、ドック、ドック・・・。 初めてアフガニスタンに来た時のことを、僕は今でも鮮明に覚えている。 初めてのフィールド、恋焦がれた国、映画の中の話ではなくて、 未だに戦闘があちらこちらで起こっているwar zone。 そんなあらゆる外的要因が、僕の気持ちを昂らせていた。 でも、それは、きっと僕だけに限ったことじゃなくて、アフガニスタンで 働くどの人の心にも鮮明に刻まれている記憶に違いない。いや、 心に刻まれてるとか瞳の奥に刻まれているという表現は間違いかもしれない。 もっと、自分の根源的な部分を揺さぶるような感覚。 カブールにいる。僕は、あのカブールにいるんだ、ということが、 オリンピックで金メダルを取った選手が「まだ信じられない、実感するのに 時間がかかりそうです」と興奮しながらインタビューに答えている時の気分のように、 半ば現実のものとして受け止めきれない気分。 世界の果て。 もう使い古されて擦り切れた陳腐な表現方法かもしれないけど、 国連機の窓から見下ろすアフガニスタンの大地を見て、最初に思い浮かぶ言葉は、 やっぱり世界の果てだった。発達していない交通網や地理的な関係から遠いという、 陸の孤島という意味で世界の果てにある国というだけではなくて、 僕達が住んでいる日常の世界からは余りにも遠い所にある場所だからそんなことを思うのかもしれない。 まるで線分の両端を無限に伸ばしていっても永遠に交わることのないユークリッド幾何学上の 2本の直線みたいに、僕達の住む場所とはねじれの位置にある世界。 そういう意味においても、2つの世界の間に大きな乖離があるから、 世界の果てという言葉が頭に浮かぶのかもしれない。 ドック、ドック、ドック、ドック・・・。 すごく昂ってるわけじゃない。 でも、何も感じていないわけじゃない。 あーあ、これじゃ、初めて赴任した時から何にも変わっていないや。 ↑国連機の窓から見下ろす、褶曲(終極)したアフガニスタンの大地。
by aokikenta
| 2008-05-09 01:17
| 日記(イスラマバード)
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