2007年 08月 20日
アフガニスタンは金曜日が休みで、ウチは金・土の週休2日制にしているのだけれど、8月19日の日曜日が独立記念日で祝日だったので3連休になった。 ここ最近、治安が不安定だったけど、それに加えて、パキスタンとアフガニスタンの首脳陣が会合を行うPeace Jirgaやイランの首相来訪などで、カブール市内はずっとセキュリティーがタイトだった。追い討ちをかけるように、8月18日にはドイツ人女性が武装集団に誘拐されるという事件まで発生したので(ウチのすぐ近くだ!)、多くの人は自宅待機を強いられた週末だったに違いない。 * * * 8月17日の金曜日 * * * たっぷりと寝貯めをして、午後からフットサルにでかけた。 いつもより1時間早い開始だったのでものすごく暑くて、なんとなく風邪気味だったこともあり、かなり疲れた。フットサルの後にプールに飛び込んだら、気化熱で体温を奪われてくしゃみがしばらく止まらなかった。これで仕事に影響が出たらアホだな。 幸い、風邪薬を飲んだら一発で直った。 そういえば、PXで買ったMarlboroがゴールデンのパッケージなのにも関わらず、Marlboro Lightじゃなくってタール8mgのMarlboroだった。なんて紛らわしい。赤は普通の、緑はメンソール、金はライトじゃなかったのだろうか。仕方なく吸っているのだが、1カートン買ってしまったのでまだまだ底が見えない。いつもより強いタバコを吸い続けていると、軽いのを吸ったときに一本では足りない感じがして、続けて二・三本吸ってしまう。チェーンスモーキングというやつだ。 おかげで、肺が煙で燻されているような気がする。Smoked lung。 薄切りにして、水割りのウイスキーと一緒に食べたら美味しそうだ。 * * * 8月18日の土曜日 * * * 一日仕事をしていた。カブールに帰ってきてからやることが死ぬ程あったから、落ち着いて一人で仕事がしたかったのだ。オフィスで一人で仕事をすると結構はかどるもんで、だいぶ追いついてきた。 午後にANSOからメールがあって、ドイツ人女性が誘拐されたことを知った。 その後、関係各所から電話連絡をもらって、なんだか大変なことになってしまったなぁという思いを強くした。今まで、カンダハルやガズニ州では拉致・誘拐事件が多発していて、そんなところに非武装で行くなんて安全対策がなってないなんてことが言えたけど、Karte-4で誘拐があった、しかも外国人がよく行くベーカリーだなんて聞くと、いよいよターゲットに聖域がなくなってきたことを感じる。 この前はMDC(Mine Detection Dog Centre)のディマイナーが誘拐されて殺されてしまったのだけれど、 それはマインパキ(地雷処理)ももはや聖域ではないということの証左であるような気がした。 マインパキに従事する人は、アフガニスタンの人々から尊敬を集めてきた。 危険を顧みず国の為に働く人々だということで、ある種の聖職だと思われて来たのだ。 しかし、今回の一連の事件で、もはや外国人も援助関係者もマインパキも関係なくなってしまって、仲間を釈放してもらえるなら何でもやるというスタンスが明らかに出てきている。 タリバンも人と金を集めることができなくなっていて、狙いをソフトターゲットへ移行して、なるべく政治的に効果のある手法を選ぶようになっている。 手法の無差別化、それは即ち、いつ自分が巻き込まれてもおかしくないということだ。 アフガニスタン政府にとって重要なのは、徹底的に反政府勢力を叩くことだ。 一つ二つのテロで円滑は社会活動を制約できると思われれば、敵に弱みを見せたことになる。 怯まず通常の社会・経済活動を続ければ良いと思う。 しかし、アフガニスタンが難しいのは、歳入を海外からの援助に大きく拠ってしまっているということだ。各国政府は当然、自国民を保護する責任があるから、ある程度、テロの状況によって態度を変えざるを得ない。多様なアクターが活動する中で、政府は皆が納得できる策を模索し続けなければならないだろう。 * * * 8月19日の日曜日 * * * イギリスから独立して88年経った。 中心部ではパレードがあるということで、相当数の軍と警察が街に出ていたようだ。 僕は事務所でひたすら仕事をしていた。 夜は、アフガンに来た時から知っているスタッフ、ムスタファの結婚式に行ってきた。 ムスタファは少し英語も話せるからか思ってることが通じ合うような感じがする20代前半の逞しい男の子だ。 結婚式は、いつも通り、男女完全隔離制で、ご飯がでてくるまでひたすら生演奏の音楽を聴いているタイプの結婚式だ。 着いてから1時間くらいして、午後8時過ぎに花婿のムスタファが各テーブルに歓迎の挨拶にやってきた。 12人連れで来ていた僕たち同僚全てと抱擁をして頬にキスを交わす。 「アルスィー・ムバラック(結婚おめでとう)!」 みんながムスタファを祝福する。 ひとしきり祝福を受けると、ムスタファは次のテーブルへと歩き始めた。 その時、長い間ムスタファと一緒に働いているドライバーのセディークがムスタファを追いかけるように呼び止めた。 「ムスタファ・ジョン・・・」 ムスタファが振り返る。 「アサラム・アライコム(君に平安あれ)。」 目を細めながら左胸に手を当てたセディークと、はにかんだムスタファの笑顔が交錯した---。 うーん、なんだか久しぶりにブログの題名どおり日記っぽい。 ↑結婚式ではとにかくご飯が大量に出てくる(写真手前はマントゥ。その他、パラオ、チキン、羊、サラダ、メロン、ふにゃふにゃしたゼリーなど。)
by aokikenta
| 2007-08-20 21:52
| 日記(カブール)
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