2008年 06月 03日
在パキスタンのデンマーク大使館爆破テロ
今日6月2日に、在パキスタンのデンマーク大使館で爆破テロがありました。
報道では、6人が死亡、30人以上が負傷したと報じられています。デンマーク人の犠牲者はいなかったとのことです。

数年前に、デンマークの新聞紙上に掲載された預言者ムハンマドの風刺画が、今年の2月に同紙に再掲載された為に、その筆者を殺害しようと試みたモロッコ人とアルジェリア人が逮捕されるという事件がありました。この再掲載はイスラム世界でも大きく取上げられて、世界各地でデモが起こるなど大きな話題になりました。今回の事件は、これの延長線上にあります。

この関連話題を聞くと、いつもエスノセントリズム(Ethnocentrism)と文化相対主義(Cultural relativism)という言葉が思い出されます。文化相対主義というと、ある文化(例えばイスラム社会)の人権侵害などを防げないなどの反論が予想されますが、文化相対主義は、必ずしも、ある特定の文化を擁護するわけではなく、偏見を排除した上で分析をする態度と思うので、僕はこれからの時代に必要な態度だと思ってます。レヴィ=ストロースは『親族の基本構造』の中で、異なる文化における共通の構造を抽出して見せましたが、彼が唱え始めた構造主義が現代(ポスト・モダン)における思想の世界を席巻したことを考えると、また、エスノセントリズムが究極的にはホロコーストを生み出す危険性があることを考えると、これからのグローバル化時代には不可欠なパースペクティブだと個人的には思います。この辺りは、また別途、考えをまとめてから何か書けたらいいなと思います。

一緒に住んでいるデンマーク人のジャーナリストは、デンマークやノルウェーの新聞とTVから、ひっきりなしに取材要請が入っているみたいで、今日は一日中街を駆け回ってました。

あ、あとNWFP(North West Frontier Province)州政府とタリバン(スワットをベースにしている、俗にPakistani Talibanと呼ばれる集団)の間で、先日、ある種の平和合意が結ばれました。なので、今回の事件は、タリバンの仕業ではないはずです。もしタリバンの仕業であれば、結んでいきなりの平和合意の条件違反になるので、パキスタン政府が黙ってないはずです。BBCではアルカイダの仕業ではないかと、事実をつなげることでほのめかしてました。この平和合意の、アフガニスタンとパキスタンに対するインパクトも興味深いところです。
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by aokikenta | 2008-06-03 03:34 | 日記(イスラマバード)


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