2008年 05月 29日
ラフ・スケッチ画
南アジア特有の湿り気を含んだ熱気が肌にまとわりつく。
まだ5月。白亜の建物に射す日光の総量が日本のそれとは比較にならず、
眼が潰れそうになるほど眩しい。立ち並ぶ豪邸の庭からは、ハイビスカスの花が
容赦なく道端にせり出している。そうした豪邸が並ぶ住宅街を歩けば、門の前で
チョーキダールが濃紺のユニフォームにカラシニコフ自動小銃を構えて、
安物のプラスチックの椅子に座っている。道路脇ではCDAに雇われている
ガーベッジ・コレクターが、豪邸から吐き出されたゴミを選別して荷車に積み込んで行く。
そして、その荷車には黒々としたカラスが2、3羽止まって、そのゴミを
ツヤのあるクチバシでつついている。
ズン、ズン、ズン、ズン。
重低音を響かせた裕福な家庭の若者が運転するメルセデスベンツが、
チョーキダールとガーベッジ・コレクターが見守る中を、歩行者を気にせずに、
黄色いスズキのアルトのタクシーを追い越して通り抜けていく。
追い越されるアルトからは、間の抜けた民族音楽が漏れている。
ヤシの木は青い空に向かってすっくと伸びる。
まるで、この世には何一つ過ちも矛盾も差別もないかのような顔をしながら。

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by aokikenta | 2008-05-29 05:00 | 日記(イスラマバード)


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