2008年 02月 21日
パキスタン選挙の結果
今回の選挙を総選挙と書いたが、正確に言うとパキスタンは二院制で、今回の選挙はその2つある内の下院と、国内に4つある州議会の選挙だったようだ。色々と既に報道をされているが、パキスタンの有力英字新聞『DAWN』の集計によると、暗殺されたベナズィール・ブットー元首相のPPPが268議席ある下院の内の88議席を獲得して第一位、ナワズ・シャリフのPML-Nが66議席を獲得して第二位、そして、ムシャラフを支援しているPML-Qが38議席獲得で第三位で、実質的にはムシャラフ大統領に不信任を突きつけるような結果になった。

ムシャラフ大統領は、1999年にクーデターでナワズ・シャリフ首相(当時)から政権を奪い大統領の座についた。発足当時、ムシャラフ政権は軍事政権だったが、2002年の国会議員選挙の際に文民の首相を任命するなど緩やかに文民による統治へと移行しようとしてきており、今回の選挙も文民による統治への移行の重要なステップとして注目を集めていた。ムシャラフ政権下では、パキスタンはアメリカの「テロとの戦い」に協調する姿勢を示して、欧米各国からの強いサポートを受けている。また、ムシャラフが政権についてから外国投資が盛んになりGDP成長率も急進したので、その点を評価する声も多い。しかし、昨年10月、ムシャラフ大統領は大統領選挙で勝利したのはいいものの、最高裁がその選挙結果は違法だとの見解を述べ(ムシャラフが陸軍参謀長を兼任していた為)、それに対してムシャラフ大統領が非常事態宣言を発令しその最高裁長官を解任するなど強硬な手段を使って権力の座を守ろうとした。それにより、ムシャラフ大統領による独裁政治への不満が高まった。そういった背景があり、今回のPML-Qの惨敗につながっていると言える。

PPPとPML-Nの議席を足すと154議席になり、議席数が下院の過半数を超えることになる。既に、PPP側もPML-N側も連立与党を組むことを会見などで示唆しており、反ムシャラフ政党連合による連立与党樹立という流れが出来つつあるようである。ナワズ・シャリフ元首相は、ムシャラフ大統領は辞任するべきだとの姿勢を強く打ち出しているので、今後の政権運営は非常に困難となるだろう。仮に、3分の2以上の議席がある場合、議会が大統領を弾劾する事も可能となるようだが、今のところ上位2党を足しても3分の2以上の議席にはならないので、実現の可能性は高いとは言えないようだ。しかしながら、ムシャラフ大統領にとって厳しい状況であることは間違いないだろう。

僕が一つ気になったのは、パキスタンの大統領には成立した議会や州政府を自由裁量で解散させることができる権限がある、ということだ。最初は、1985年に当時の指導者であるZia-ul Haqが憲法を改正してその権限を大統領に付与した。それが1990年代後半に一度、1973年憲法制定当時の状態に戻したのはいいのだが、2002年に、またムシャラフ大統領の命令により復活したのだという。自由裁量で議会を解散させるって・・・、それってすごくない?何でもありみたいな状況?僕も詳しくわからないが、その辺りが、パキスタンは独裁政治だと言われる所以なのかもしれない。

これからどういう展開になっていくのか予想がつかないが、丁度こういう時期にパキスタンにやって来たのも何かの縁と思って、よく状況を注視して行きたいと思う。これまでの経緯や歴史も勉強しないとなぁ。まだ何も語れるほどになっていない。
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by aokikenta | 2008-02-21 03:00 | 日記(イスラマバード)


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