2007年 12月 15日
退避勧告下のアフガニスタン・リポート⑭ 『サミウラーはこう言った』編
気持ちよく晴れ渡る、とある日のカブールでのこと。
何処にでもある土作りの家で、僕と現地スタッフ5名ほどで雑談をしていた。
アフガニスタンと日本の文化の違い、イスラム教のこと、男女関係について。
そんなたわいもないいつもの会話をしていると、みんなの輪に加わらず、サミウラーが一人でぼんやりとしている。

僕「サミウラー、何ぼんやりしてるんだよ」

サ「世界の終わりについて考えていたんだ」

僕「・・・えっ!?」

一瞬、返す言葉を失う。

僕「世界の終わりって、どうしてそんなこと考えてるんだい?」

サ「この国の将来のこととか、世界の行く末とかについて君だって考えることがあるだろ」

僕「そりゃあるかもしれないけど、今はこうやって皆で楽しくおしゃべりしてるじゃないか。
そんな時に考えなくてもいいだろ。」

サ「ごめん、ごめん、それはミスター・ケンタの言うとおりだ。」

僕らはまた雑談に戻った。
しかし、しばらく経ってからサミウラーに目をやると、また一人でぼんやりしている。
彼の社会との関係性は一人で完結していて、ほっておくと一人の世界に入ってしまう傾向があるらしい。
サミウラーの頭の中では、常に「世界の終わり」の情景が流れているのだ。

サミウラー・サタリ。
この男、逸材につき。

※タイトルはニーチェ著『ツァラトゥストラはこう言った』のパロディです。内容は一切関係ありません。

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→コンピューターに向かってウィークリー・レポートを書くサミウラー(推定30歳)
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by aokikenta | 2007-12-15 00:05 | 日記(イスラマバード)


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