2007年 12月 09日
退避勧告下のアフガニスタン・リポート⑨ 地上げ・転職・拝金主義編
雨降りのカブール。
久しぶりに外に行って気がついたことを書いてみよう。

今日、チャライ・サダラットという、写真の現像屋さんや
文房具屋さんがたくさん並ぶ通りの前を久しぶりに通った。
車窓から見てみたら、お店の半分くらいが潰れていた。
現地スタッフに「前はここにもたくさんお店があったよねぇ?」と聞いてみたら、
バスィールくんが「道路を拡張する計画だから、ここにあったお店は潰れたんだよ」と答えてくれた。

Ministry of MunicipalityだかMinistry of Transportationだか知らないが、
常に交通渋滞がひどい首都カブールを改善すべく区画整理とか交通整備をしているんだ、
という事に気がついた。

そういえば、デ・アフガナンという、数年前からずっと建設中の茶色い色をしたモスクがある辺りから、
ダルラマン宮殿方面へ向かう道も前は両側通行だったのに、数ヶ月前から一方通行に変更された。

渋滞の緩和。
非常に重要なことだ。
そうやって街というのはシム・シティーみたいに徐々に発展していくのだ。
そしていつかカブールもスカイ・スクレイパーが立ち並ぶメガロポリスに変貌するのだ。

希望、というよりも夢に近いか・・・。
でも、いつかそんな日が来るといいですね。


ちなみに、道路の拡張とか区画整理の背景には、
きっと数十年前の日本でもあったような、
地上げ屋と古くからそこに住む頑固親父との間で
壮絶なドラマがあったに違いない。

役人「政府のものですが、アフガニスタン復興の重要施策の一つとして、
    カブール市の渋滞を緩和する計画が進行中です。
    この辺りでも、すぐここを走っている道路を拡張することになりました。
    ついては、この辺一帯は将来道路になる計画です。」

店主「この家にはよー、家族の思い出が詰まってるんでー。
    そんなこと言われたって簡単に立ち退けるかよぉ!」

役人「もちろんタダでとは言いません。
    (小声になって)
    ○○ドルで立ち退いて頂けませんか?」

店主「金で釣ろうって腹か。
    しかもここはアフガニスタンだろ。
    なんで米ドルで買収しようとするんだい。
    アフガニスタン人の魂はどこへ行っちまったんだ。
    お前はアメリカの水を飲んじまったか。 
    飲んじまったのかー! ・・・・・」


えー、以上は架空の会話ですが、現実の世界では立ち退いていない店は一軒もありません(笑)。
店主達はみな一様にお金を受け取ったのだろうか。
世の中には、金で解決できない問題と、金で解決できる問題の両方がある。
それは否定しようのない現実というものだ。

アフガニスタンでは拝金主義が蔓延しているという結論へ
飛躍的に結びつけるつもりはないが、
ちょっとくらいは粘る頑固親父がいて欲しかったなと思ったりして。

ちなみに、ウチのスタッフが数ヶ月前にアメリカの某援助機関から
高給で引き抜かれた。彼に聞いたら、給料はウチの2倍くらいだとか。
せっかく1年間、手塩にかけて育てたのに・・・。
未だに、あれは僕のマネジメント不足だった、給料以外の部分でインセンティブを
高めてあげれば転職は防げたかもと自責の念にかられることがある。

君は何の為に仕事をしているの?
もちろんお金は重要だけど、他にも大事なことってあるんじゃない?
そんなことを日々の付き合いから伝えてあげらえたらよかったのかなぁ。
そして、それをスタッフそれぞれが感じられるオフィスになるように、
絵空事じゃない実践的な施策を打ち出していればこんなことにはならなかったのかなぁ。

地上げ、転職、拝金主義から透けて見えるアフガニスタンの今があるかもしれない。
そんな事を思って書いてみた。


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→斜線にした辺りが区画整理・交通整備の対象地域


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→デ・アフガナン方面からチャライ・サダラット方面を眺める。左がTVヒル。


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→奥に見えている壁は、建物の外壁ではなく、もともと内壁だったと思われる。


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→白で囲った所には、もともとお店が並んでいた。
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by aokikenta | 2007-12-09 22:30 | 日記(イスラマバード)


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