2007年 11月 30日
退避勧告下のアフガニスタン・リポート④ ファム・ファタール編
アフガニスタンの料理には、大抵、唐辛子が付いて来る。
発色の良い緑色をしている官能的な体をお皿の上でくねらせながら、
艶やか(つややか)な光沢を静かに放っている唐辛子。
油を多く使ったアフガニスタンの料理をほおばりながら、時折、生の唐辛子を齧ると、
なくなりかけていた食欲が刺激され、もう一口食べられるような気がする。

料理は人生に例えられる。
一皿の上には、産まれ、勝って、負けて、泣いて、笑って、
そして、死んでいくというドラマがある。
唐辛子は、そんな一皿という人生に変化と彩り(いろどり)を加えている。
それは一口で料理全体の印象が変わってしまう位の劇的な変化で、
それがあるだけで全体の見た目と味が引き締まるというくらい影響のある彩りだ。

人生には、大抵、ファム・ファタール(Femme Fatale)が現れる。
運命的で、魔性的で、官能的で、魅力的で、必然的で、
男の人生を劇的に変えてしまうような女。
ファム・ファタールは、人生に変化と彩りを加える。
それは出会った瞬間から自分の周りの景色が変わってしまう位の劇的な変化で、
彼女がいるだけで人生が引き締まるというくらい影響力のある彩りだ。

唐辛子はファム・ファタールだ。
一皿という人生の中のファム・ファタールだったのだ。
そう思ったら、唐辛子のないアフガン料理なんて、平板な人生みたいに
ひどくつまらないような気さえしてきた。

唐辛子はファム・ファタールだ。
これは信じていいことだ。





唐辛子とファム・ファタールを題材に雑誌のコラムを書いてください、という依頼が出版社から来た時の為に書いてみた。
もちろん、そんな執筆依頼は僕には来ていないし、僕の残りの人生の中で来ることがあるとは到底思えない。
ただの自慰だ。

※「今夜セレナで逢いましょう」もそうだけど、読み物としておもしろいかなと思って書いているだけなので、筆者の願望とは一切関係ありません、たぶん。



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→ファム・ファタール的とうがらし
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by aokikenta | 2007-11-30 19:18 | 日記(イスラマバード)


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