2007年 11月 20日
From Islamabad to Kabul
自分を取り巻く環境がめまぐるしく変わりすぎていて、頭が追いついていかない。ついこの前に、家族や友達に「日本到着」というメールを送った気がするし、ちょっと前に「イスラマ到着」というメールを送っていたような気がする。今度は、気がつけば「カブール到着」というメールを送っている自分がいる。自分は一体どこにいるんだっけ?って、ふと夜中に目を覚ました時に思ったりする。これは夢?って、数日前に起こった出来事を思い浮かべたりする。多分、現在へと連続した意識の中で理解しているから現実に起こった出来事なのだろう。もはや、そういう方法でしか目の前で起こっていることを理解できない。もし、僕が今している生活を10代の多感な時期にやっていたとしたら、確実にアイデンティティーが崩壊していただろう。



イスラマバード大運動会で痛めつけられた体を引きずりながら、イスラマバード空港へ向かった。マラソン競技に参加して完走したはいいが、あまりにも運動不足過ぎて、肺が苦しいし、口の中が鉄みたいな味がするし、全身が筋肉痛になってしまった(たった2キロで・・・という突込みが体育会の同期から聞こえてきそうだ。でも中距離は一番きついのだ。)。空港で、偶然に知り合いに出会った。行き先はお互いにカブールだったが、僕達は乗る飛行機が違ったのであんまり話す事ができず残念だった。

カブール空港に到着して中央ターミナルのバッゲージ・クレームで荷物を待っていたが、待てど暮らせどやってこない。出だしから上手くいかない。あー、カブールに戻ってきたんだ、と思いつつ、他の乗客と相談して、国連機ターミナルのほうへ歩いていくことにした。歩いて5分くらいすると、国連機のスタッフが追いかけてきて、荷物はこっち(中央ターミナル)から出る!と教えてくれた。引き返して無事にスーツケースを受け取る事ができた(以前、インドネシアに行った時は受け取れず、翌日の便に載せられていた。でも、受け取れただけラッキーだ。)。

駐車場で、ラハマトラーとヌール・ナビとハグをした。
それで、やっと本当に僕はカブールに戻ってきたんだと思った。



カブールは寒くて、日中はそれほどでもないが、日が暮れるとかなり寒い。気温や湿度が違うだけでも体には大きな変化なのだが、戻ってくるなり、いきなり引継ぎをしてずっと仕事の話をしていたので、頭の方が事態の変化についていけてないような気がする。晩御飯の時に、やけに背筋が寒くて、食欲も全然なかったので、早めに寝ることにした。

僕は3つの世界を生きている。住民票がある日本と、活動の拠点であるパキスタンと、プロジェクトをやっているアフガニスタンの3カ国だ。ファイルの分類は簡単にできるのかもしれないが、それらの異なる世界を棲み分けるには少しの時間が必要だ。

アイデンティティーの形成と「場所」には密接な関連性があるような気がする。大学時代、同級生に帰国子女・子弟の子がいっぱいいたのだが、日本で生まれ育った子からは何か違う匂いがしていた。それは、生まれ育った国の文化や風習が違うから、と説明することはできるけど、それ以上に、自分が日本と強く結びついている存在として自分を認識するのか、あるいは、自分は日本と他の国の2カ国に強く結びついている存在として捉えるのか、そういったアイデンティティーの問題であったのではないだろうか。人によっては、地球とか人類とか世界とか、そういった漠然としたものと自分自身とを関連付けるものなのかもしれない。こういうものって、生まれた村で育って、生まれた村で就職して、生まれた村で死んでゆく時代にはなかった現象だったに違いない。

しかし、幕末に生まれた坂本竜馬は島国で生まれたにも関わらず、とても壮大な構想を描いていた。どうして彼にはそんなことが可能だったのだろう?



僕がカブールにいない間には、色んな出来事が起こっていた。昨晩寝ようかと思ったら、僕の部屋の真横に小型発電機の小屋が設置されていた。ドアがついてないので騒音がそのまま部屋の窓に振動を与えていて、窓がずっと震えている。とてもではないが、発電機をオフにするまでは寝られそうもない。事務所にいない人間にsayはないようだ。このままだと、事務所にいない間にどんどん僕の把握していない事が進行していきそうな気がする。気がついたら手が付けられなくなっていそうなどうにもならない事態が。まぁ、遠隔操作と決めた時点で、それは想定の範囲内の出来事ではあったのだが。どこまで腹を括れるか、それが当面の問題だ。



こっちに来て一日だけどすごく疲れた。
やっぱり、めまぐるしく変わる環境に追いついていないみたいだ。
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by aokikenta | 2007-11-20 22:01 | 日記(イスラマバード)


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