2007年 11月 16日
Diplomatic Enclave
Diplomatic Enclaveは日本で言えば、霞ヶ関と永田町を足して2で割らないような場所だ。名前の通り、各国大使館が居を構えていて、その他にも銀行やVIPのみが入会を許される植民地主義的会員制クラブなどが軒を連ねている。今日は、午前も午後もそこに用事があって行っていた。

Diplomatic Enclaveのすぐ近くには大統領官邸があって、その前ではパキスタン軍が数え切れない警備兵を並べて厳重な警備を敷いていた。大統領官邸への道は完全に封鎖されていたのでいつもの道は使えず迂回を余儀なくされた。大統領官邸にいる警備兵の前では、欧米のメディアがひたすら写真を撮ったり、映像を撮ったりしていた。警備兵にピントを合わせて背景に大統領官邸をぼかして入れたらカッコよさそうだなぁとか一人で考えていたけど、素人が撮影して買ったばかりのカメラを没収・破壊されるのが怖かったので止めておくことにした。

そういえば、日本一時帰国中に新しいカメラを買った。買ったのは前にも紹介したEOS 40D!実は、EOS Kiss Digital Xと同じ1010万画素なのだが、映像エンジンがDIGICⅡからDIGICⅢに進化したので、起動時間が更に短縮されたり(0.15秒!)、記録画質の分類が更に細かくなったり、連写が更に早くなったりと色々な部分で改良されたことを感じる。特筆すべきは、カメラを持った時の重量感とシャッター音だ。手に心地よい重みがあって、見た目も持った感じもより豪華になった。シャッターを切る時に耳元で囁くように鳴る音も非常に心地よい。ビジバシ撮って、「退避勧告下のアフガニスタン・レポート」とか「非常事態宣言下のパキスタン・レポート」とか、もし読みたいという人がいるならやっていきたいと思う。

自分のことながら、なんか段々マニアックな方向に進んでいるような気がする。
まぁ、大人になっても楽しめる玩具(おもちゃ)が僕には必要なのだ。



アフガニスタンではCODANのアンテナをつけた白いランドクルーザーがわんわん走ってて、その中では「Heading to Location Zero」とか「Negative copy」とか「Will copy」とか「Clear, over and out」とか、先進国に住んでいわゆる普通の会社に勤めていたら一生使われることがないであろう言語が飛び交っている。街中では、ミリタリーの車両が頻繁にパトロールをしていて、セキュリティー・ガードが至る所でAK47を構えている。翻って、ここイスラマバードでは、小奇麗なトヨタやホンダやスズキの2007年モデルの新車がそこら中で入っている。カブールからやって来ると、これが同じ世界なのか、と頭がクラクラするけど、日本から来たら、イスラマバードだって発展途上国の仲間入りをしてしまうものなのかもしれない。

つまり、人間の印象というものはいつも相対的ということなのだ。幸せとか快適とかいいとか悪いとか、およそ価値判断というものは生まれつき相対的なものだということなのだ。そうしたら、多くの人にとってこの世の中を生きる上で重要なのは、相対的に自分がどのくらいのポジションにいるか、自分が上の下(じょうのげ)くらいに位置しているのか、中の上(ちゅうのじょう)くらいにいるのか、下(げ)だけどまだ中の下(ちゅうのげ)くらいになのか、という事が差し当たって重要な問題だということだ。

絶対的にいいことっていうのはあるのだろうか?そういうことはないのかもしれない。何故なら、僕達は禁断の実を食べて楽園を追放されてしまったんだから、僕達は楽園をあらかじめ奪われている。反対に、絶対的に悪いことって何?人を殺すこととか?物を盗むこととか??でも、それだって悪くない場合があるものだ。

夢と言えば、マンションを買って、車を買って、うーんうーんって答えが詰まっちゃう想像力欠乏症候群の金太郎飴にとって、幸せっていうのは何なのだろうか?それらの有形なものを手にして幸せだって言い切れる?答えはNoだ。だって、手に入れたらもっといいものが欲しくなる。欲望の塊、それが人間だ。僕だったら、何か無形のもの、生きている証拠(あかし)みたいなもの、そういうものを追いかけて生きて行きたい。



イスラマバードの事務所にはクックがいる。彼が毎日3食ご飯を作ってくれるのだ。その他にも、ここではお湯が出るのでいつでもシャワーが浴びられるし、ちょっと買い物に行こうと思ったら、いつでも気軽に出かけられる。作ってくれるのはお昼ご飯だけ、しかもオイリーなアフガン料理で、停電が頻繁に起こってボイラーがストップしてシャワーが浴びられず、行きたい場所にも絶対に簡単には行けないアフガニスタンと比較すると、天国と地獄という気がする。

夕食の後、クックがチョコ・ブラウニー・ケーキを作ってくれて、香り高いコーヒーと1本200ドルするコニャックを飲みながら食べた。僕の頭の中には「犯罪的」という言葉しか思い浮かばなかった。これは犯罪的だ、これは犯罪的だ、というフレーズが頭の中でエンドレスでリピートしていた。その傍らで、部屋の隅の方からアフガニスタンで働く現地スタッフがこちらを見ているような気がして、一瞬、本当に犯罪を犯したような気持ちになった。

やっぱり僕は病気かもしれない。



友達が面白いことを言っていた。熱い水と冷たい水を交互にかぶっていると、人間は肺炎になってしまうらしい。それと同じで、カブールとイスラマバードを行ったり来たりしてたら、どこかが炎症を起こしてしまうんじゃない、と彼女は言っていた。なんか、この話には、非常に重要な教訓が含まれているような気がした。カブールとイスラマバードを行ったり来たりして炎症を起こすとしたら、多分それは心の炎症だろう。これから始まる生活は少し心と体に負担をかけてしまうのかもしれない。急激に年齢(とし)をとらないようにしないとね。



何を書きたいんだかよくわからなくなってしまった。
雑感。いいんだそれで。
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by aokikenta | 2007-11-16 05:31 | 日記(イスラマバード)


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