2007年 08月 28日
エイドワーカーズ・ハイ
クライマーが恐怖心を麻痺させてクライマーズ・ハイになるように、
エイド・ワーカーは興奮を飛び越えてエイドワーカーズ・ハイに陥ることが時としてある。

XXX国でプロジェクトを立ち上げろ。
事務所の設立、銀行口座の開設、通信手段の確保、スタッフの雇用、機動力の確保、現地の情報収集、物資の調達、etc。
全てが緊急を要する中で、ミッションの遂行に没頭し、立ち止まることなく走り続ける。
目の前に広がるリアルな世界にのみピントがフォーカスされ、背景がぼやけていく。
他の事が一切考えられなくなっていく。
気が付けば精神が異様な沸騰状態に達していて、どんな危険な状況も、前を遮る障害物も気にならず、ただプロジェクトを純粋に楽しんでいる---。

しかしながら、エイドワーカーズ・ハイの後に待っているものは、どうしようもない脱力感と虚無感。
何も考えずにゆっくりと休みたい、もう何もしたくない、もう当分フィールドはいいや。
燃焼しきった体と擦り切れた精神を引きずって先進国の空気を吸いにフィールドを離れる。

束の間の休息。

恋人との一時。

家族との団欒。

登山家が凍傷で体をボロボロにしながらも山を登り続けるように、
エイドワーカーズ・ハイの興奮と刺激と快感を求めて、また、エイド・ワーカーは次のミッションへと向かっていく。

学生時代、色んな国で色んなプロジェクトに取り組む商社マンを取材した一志治夫の『総合商社プロフェッショナル』や、ICネット社長米坂浩明の『裏道国際派』という本に胸を躍らせたが、災害支援や紛争国での人道支援に携わる人々の物語をレポートした『エイドワーカーズ・ハイ - 開発援助プロフェッショナル10人の肖像』という本が出版されたら、きっと僕は買うと思う。
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by aokikenta | 2007-08-28 00:59 | 日記(カブール)


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