2007年 07月 10日
帝国主義的な暑さ
帝国主義的な暑さのせいで、飼っている犬もお腹を見せて昼寝している。僕はミキサーで磨り潰したメロンジュースを飲む。残忍さと平穏が共存する午後だ。

シャリナウにあるA-Oneスーパーマーケットへ行った。PXほどではないが、豊富に品物が揃っていて、サービスもそれほど悪くないのでたまに来る場所だ。冷凍のエビとかヘインツのケチャップなんかを買い込んで外に出たら、ゴミ捨て場に子供が群がっていた。金になりそうなものを拾って、換金でもするのかと思ってぼんやり見てると、一人の男の子が僕の立っているスーパーマーケットの方向へやって来た。

「Mister, give me money(お兄さん、お金を恵んでよ).」

「ボロ、ボロ(あっちへ行け)!」と何度も言ってようやく少年は僕から離れていった。その少年は、今度はスーパーマーケットの店員に向かって、「これは要るの?要らなければ頂戴。」とまた物乞いをしている。店員にあっけなく断られると、少年はゴミの山へ戻っていった。ひどい汚臭のおかげで出来たような陽炎が立ち上るそのゴミの山の上で、必死に金目のものを探す少年を見て、救いようのない気持ちになった。

車でスーパーマーケットを後にしてオフィスに帰る途中で、別の少年と乗用車のいざこざを見かけた。見ていると、車から運転手が飛び出してきて、少年の頬を2回も3回も殴りつけた。少年の手にはボロボロの雑巾が握られていた。

少年は通りがかる車の窓拭きをしてはお金をせびって生計を立てているのだろう。実際の所、ボロボロの雑巾ではほとんど窓は綺麗にならない。ただ、運転手達はかわいそうだからお金を恵むだけの、発展途上国ではごくありふれた風景だ。少年は何かその運転手に侮辱することでも言ったのだろうか。それとも、お金のせびり方が汚らしかったのだろうか。

事件の真相はわからない。ただ、窓拭きで生計を立てる少年の頬を殴った大人が乗っていた車は新品のカローラだ。運転手は汚い手で新品の車に触れられたから怒っただけなのかもしれない。道ですれ違う以外に一生の間に接点があるはずがないほどの圧倒的な社会的地位の差。彼は殴ることで気が晴れただろうか。それとも、殴った手に鈍い痛みが残っただろうか。

少年の横を車で通り過ぎた。少年は背中をヒクヒクさせて泣いていた。
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by aokikenta | 2007-07-10 21:12 | 日記(カブール)


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