2006年 12月 22日
NGO禅問答 その3
(つづき)

:あっ!丙さんいらしていたんですか。

:あー、ちょっと用事があってね。それより、甲くんと乙くんの話し聞いてましたよ。

:えー、乙は理想に燃えてるのはいいんですが、思いつめているような所があって、見ていて危なっかしくて仕方がない。

:僕は僕の考えている事を言っただけですよ。実態が追いついていないんだったら、僕が実態を変えてみせる。

:はっはっは、二人のいう事はどちらも間違っていないと思うよ。僕だって若いときは乙くんと同じようにNGOで働いていたんだ。インドシナ危機で沢山の難民が出た時期でね、難民キャンプを作って、保健・医療から、給水事業、子供達への教育まで何でもやったよ。現場を駆け回って、問題にぶつかって悩んで、人に助けられて、忙しかったけど楽しかったなぁ。

:丙さんにもそんな時代があったんですね。

:そりゃそうさ、あの時があったから、色々と物事を考え始めるようになったね。

:丙さんはそれからどうされたんですか?

:僕はその後、国連に入ったんだ。10年いる間に、HQもフィールドオフィスも両方経験した。国連というのはものすごい可能性を秘めているもんだって思って入ったんだよね。NGOよりも大きなレベルで国家が出来ない事ができる、そんな風に思ってたね。

:思ってた?

:うん、そう思ってたんだけど国連も実際は巨大な官僚組織で僕の思っていたような場所ではなかった。国連の人間は、もちろん違う人も沢山いるけど、現場なんて見ないし、成果は独り占めしようとする。書類ばっかり書くのが上手くて、保身主義を地でいくようなやつらばかりさ。

:今は何をされているんですか?

:日本に帰って来て、大学で教鞭を取っているんだ。僕が見てきたもの、経験してきたものを若い世代に伝えたい、そういう風に思っている。

:あれ、でもNGOもやってませんでしたっけ?

:そうそう、やっぱり頭でっかちでもいけないからね。NGOを設立して、少しでも日本NGOのキャパシティーを挙げたいし、恩返ししたい。

甲・乙:へー。

:だから、僕は甲くんの言う事も間違っていないと思うし、乙くんの言うことも間違っていないと思う。僕みたいに考えて行動している人もいるってことをわかってもらいたいんだなぁ。

:すごい参考になります。ありがとうございます!!僕も現場で経験を積んで丙さんみたいになりたいなぁ。

(完)
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by aokikenta | 2006-12-22 03:08 | 日記(カブール)


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