2006年 10月 29日
指揮者とプロマネ
 東京本部での最初の1週間が終わった。久しぶりに勤め人の生活をしたので、精神的にも肉体的にも疲れた。でも、違う環境にいると意識レベルでも無意識レベルでも吸収するものが沢山あって、それをアフガンに戻る前に経験できたのは自分にとって間違いなくプラスだと思う。現場主義という言葉があるが、今の僕にとっては東京本部が現場なので、来週からもよくコミュニケーションを取りながら雰囲気や様子や問題点などを取り込みたいと思う。

 今日は父親とクラシックのコンサートを鑑賞しに行ってきた。溜池山王のサントリーホールで東京交響楽団の演奏があったのでそれに行ってきたのだ。音楽の理論や専門的な事はよくわからないが、長いコンサートの途中演奏に夢中になっている瞬間があって、その没頭から覚めた時に現実の世界に戻ってきた感覚を覚えた。その感覚は、映画の中で起こっている事がまるで自分の問題であるかのように感じていたのにそれが覚めてしまった、というような感覚に似ていた。客観的な時間の長さは知らないが、僕の中では長い時間だった。

 コンサートを見ていて指揮者というポジションに興味を持った。指揮者は特定の楽器を演奏するわけではないので楽曲がCDになってしまえば存在を感じる事が難しい。しかし、生で見ると各パートに指示を送って強弱をつけさせたり、全体の流れを一段上から見て微調整しながら楽団をまとめているので、非常に重要なことがわかった。おそらく指揮者になっている人には、楽器をやればそれはそれで食っていけるくらいの能力がある上に、全体を統率するだけの力量があるのだろう。指揮者はNGOで言えばプロジェクト・マネージャーにあたるポジションだと思った。プロマネも、一定程度のレベルの専門性を持った上で全体をスーパーバイズしてプロジェクトを前に進めていく能力を求められる(注)。3人以上の人間の集団をまとめる事には、その集団が何をしているのかに関わらず、共通点があるのだな、と一人納得した。音楽を聴きながらこんな事を考えるのは職業病だろうか?

 コンサートホールを出て、父親と食事をして帰路に着いた。いつもとは違った印象の土曜日だった。

(注)もちろん、専門家ではないがプロマネになっている人もいる。それは、民間企業で技術畑ではない所で働いてきた人が社長になるのと似ている。社長になってから会社の事を勉強して経営を改善する人だっているので、必ずしも専門知識が必須であるという訳ではないと思う。 
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by aokikenta | 2006-10-29 00:38 | 日記(カブール)


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