2006年 10月 01日
プロローグ
  僕が台湾で魅せられたものは、それが内包する背反性であった。整備された地下鉄網や世界で一番高いビル台北101を作り上げた技術力が近未来空間にいることを思い起こさせる反面、狭い路地に並ぶ雑然とした食堂や心地よい程度に行渡る日本の文化はノスタルジーを感じさせてくれた。台北の町を歩きながら僕の脳裏には2つの光景がフラッシュバックしていた。1つ目は、東方明珠塔を初めとした高層ビル群が伝統と調和する上海の外灘から見た光景。物心ついて初めて行った外国の街上海は驚きに満ちていた。日本では考えられない程の価格で物が売買され、雑然とした中で人々が生活している一方で、見たこともないような前衛的なビルが立ち並んでいた。2つ目は、香港。まだ日本でも普及していなかったICカード(たしかオクトパスカードと言ったと思う)が当たり前のように普及し、バスでも電車でもカードをかざすとほとんど素通りの感覚で利用することができた。風水の伝統を元に設計された高層ビルは目に奇抜に映り、ビルの谷間で営業する小さな食堂とのアンマッチが印象に残った。今回旅をした台北という街は、上海と香港の両都市が抱えるアンバランスさに似たものを持ちながら、しかしそれとは少し異なる手触りを持った街だった。帰り仕度をしている時、僕は「あぁ、日本に帰りたくないなぁ」と思っていた。

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(注)
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by aokikenta | 2006-10-01 13:56 | (番外編)台湾旅行記


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