2006年 09月 30日
台湾1日目 旅のはじまり
2006年9月25日(月)

  1週間くらい海外を旅したい、と9月の頭に帰国してからずっと考えていた。長期に渡るアフガニスタン駐在で、いつ攻撃をしかけてくるかもしれない自爆テロリスト予備軍たちが僕の精神と肉体をかなり磨り減らせてしまっていた。休息が欲しかった。日本で友人や家族達と過ごすのも楽しかったのだが、いつもとは違う環境でゆっくりとしたいという気持ちは自分の中で確固たるものとして居座っていた。僕は台湾へ行こうと思った。理由の1つは、兄が台湾で仕事をしているのでちょっと案内してもらおうと思った為である。2つ目は、留学時代に会った台湾人の友人達に会いたいと思った為である。イギリスへ渡ってすぐの頃、中国人やタイ人、そして台湾人の友達がすぐにできて寂しい思いをすることがなかった。台湾人の友達は凄く日本の文化に詳しく、親日家が多かった。また、おいしいごはんや足裏マッサージ・温泉などが充実しているというのも魅力の一つだった。しかも、移動時間が短い上にまだ行った事がない。こうして僕は9月25日から10月1日までの6泊7日間、台湾へ旅行することに決めた。

  こうしてやりたいことが沢山あったのはいいのだが、事前に決めていたのは往復の航空券と、1日目に泊まる宿だけであった。往復の航空券は適当にインターネットを見て、安そうなチケットを選んで決めた。燃料高騰費で予定よりいくぶんか高くなってしまったが、それでも他の国に比べて大分安かった。

  宿については、当初予約をせずに行ってから決めようと思っていた。しかし、行きのフライトの到着時間が午後10時40分ということで、夜に到着してから宿探しはきついと思い、1日目だけインターネットで予約をすることに方針を変更した。ガイドブックやインターネットを見ながら、ホテルにするかユースホステルにするかなどと考えていると、1つの宿が目に留まった。その宿の名前は「ゲストハウスおおしろ」。決めた理由は値段の安さであった。なんと、1泊目が400元(約1600円)、2泊目以降350元(約1400円)なのである。これは台湾の物価を考えると相当に安かった。もちろん4人相部屋が基本のドミトリーなのだが、旅で宿泊費が浮くのは助かる、と即決した。

  地元の駅からリムジンバスで成田第一空港へ向かい、午後8時10分のエバー航空便で台北へ向かった。航空機にはハローキティーの絵が大きく書かれ、食器やチケットなど至るところにキティーちゃんが描かれていた。台湾ではサンリオ製品が流行っているのだろうか、と思いながら本など読みつつ過ごした。現地午後10時40分頃、台北空港へ到着した。日本と台湾の時差が1時間なので、移動時間約3時間30分ということになる。トラブルもなく、午後11時頃、台北駅行きのバスへ乗ることが出来た。

  深夜12時ごろにようやく台北駅に着いた。駅に着いてから電話をすれば、ゲストハウスおおしろのオーナー大城さんが迎えにきてくれるという事になっていたので、早速公衆電話から電話をすることにした。電話をすると「東口3番出口で、ガイドブックを持って待っていて下さい」と言うので、言われた通りに、右手にはガイドブックを持ち、後ろには大きなバックパックを背負い、前面には機内持ち込み用の小さなナップサックを抱え、肩からは一眼レフデジカメをかけて、いかにも僕は観光客ですという風情で煙草を吸いながら大城さんを待った。5分ほどで大城さんはやってきた。大城さんは眼鏡をかけた中肉中背の男性で、いかにも人のよさそうな笑顔をするのが印象的な人だ。嫌なオーナーだったら宿を変えるかなと思っていたのだが、大城さんはとても丁寧で腰の低い人で感じ入った。

  一緒に歩く事5分少々で、ゲストハウスおおしろに到着した。人通りのほとんどない裏道を入り、ほどなくすると左手に「おおしろ」と書かれた看板が現れた。人が一人通るのがやっとという大きさの入り口で、細い階段を登ると3階にレセプション兼リビングルームが現れた。簡潔に宿の使用方法の説明を受け、前払いで1泊分だけ宿泊費を支払った。ベッドは2段ベッドで、各部屋に2つ、1部屋合計4人が宿泊することができる。3階に2部屋か3部屋、4階に1部屋があるので、最大で12人から16人ほどが泊まれる計算になる。シャワーは共同で1つだけあり、宿泊者同士で適当に調整をして浴びることになっている。

  ひょっとして、アフガニスタンへ行く前だったら、僕は「おおしろ」で1泊だけして別のホテルへ移っていたかもしれない。しかし、これ以上ないほどの劣悪な環境で約1年間生活をした今となっては、「おおしろ」の設備に関しては何の不満もなかった。むしろエアコンと扇風機がついているので、こっちの方が豪華だなぁ、と思ったくらいである。「おおしろ」には僕が滞在している間、常時10人弱の滞在者がいて退屈することがなかった。常に誰かがリビングにいて、話し相手になってくれたし、どこへ行こうかと考えあぐねていると「今からここに行くんだけど、一緒に来る?」と誘ってくれることが何回もあった。もし1人で高級ホテルに宿泊して6泊を過ごしていたら全く別の旅になっていただろう。今回の旅は出会った人たちに彩られて、楽しい旅になった。僕は今回の旅で「おおしろ」に泊まって後悔した事は、1つもない。

  1日目はシャワーも浴びず、服だけ着替えてベッドに横になった。旅は始まった。

e0016654_1473956.jpg←おおしろのリビングルーム。滞在者達の社交の場になっている。

e0016654_148720.jpg←2段ベッド。上のベッドで7日間寝泊りをした。
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by aokikenta | 2006-09-30 13:53 | (番外編)台湾旅行記


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