2006年 08月 17日
リーダーとしての威厳と親近感
ウチのスタッフと話していてこんな事を言われた。

「マネージャーには威厳がなければならない。だから、仕事以外の場所でも部下と仲良くしてはいけず、一緒にお酒を飲んだりしてはいけないんだ」。

アフガニスタンはイスラム教の国なのでお酒を飲んではいけないというのはよくわかるのだが、リーダーシップのあり方については賛否両論あるのではないかと思った。

一方で、彼の言う事には理がある。仕事以外の時間に必要以上に上司と部下が仲良くしてしまうと、仕事の中で上司と部下という間柄があやふやになってしまう恐れはある。そういう意味で、リーダーがどのような場面でも決して乱れた所をみせないということは、威厳を保つことに大きく役立つ。日本での卑近な例に置き換えてみると、仕事中、一緒に飲みに行ったり遊んだことがない上司や先輩とはなかなか距離が縮めづらいものがある。ビシッと物を言う上司や先輩ならなおさらだ。そうすると部下としては彼らの指示をしっかりと聞くだろう。それは仕事の面では大きく役立つ。

他方で、そういうギチギチの関係では息が詰まってしまうという反論もあるだろう。仕事は仕事、プライベートはプライベートという考え方を導入して、アフター5で一緒に飲みに行ったり、週末後輩を自宅に誘ったりする日本人は多いと思う。こうして仕事以外の時間を共有すると親近感が沸くし、仕事の面でも妙に緊張したり、相談に行きにくかったりすることがなくなり、結果として、部下の方がコソコソと隠れて何かをするという事は減るだろう。そうすると、結果としては仕事の上でもプラスの側面が出てくる。

概して、日本では後者の考え方が主流なのではないかという気がする。たまに部下を誘って悩みを聞いてあげる上司というのは理想像ですらある。いつも怖かった上司が飲みに誘ってくれ優しく悩みを聞いてくれたら嬉しいものだ(たまに尊敬していた人が乱れすぎてしまい、それを見て幻滅してしまうパターンもあるでしょうが・・・)。飲み会を通じての建前と本音の使い分けというのは日本人が得意とするところだ。

もちろん、日本でもリーダーシップを発揮する為に、どのような場面でも威厳を保つ人もいるだろう。反対に、仕事以外の時間を使って部下との距離を縮め、内部に蓄積している悩みや不満を聞きだす努力をする人もいるだろう。リーダーシップを考える時、このバランスは非常に難しい。

こんな話しを聞いた事がある。いつも非常に怖い上司がいる。仕事に妥協は許さず、ミスをすれば容赦なく叱る。そんな上司が家族の話をすると部下の上司に対する心象は大分変わるというものだ。例えば、「ウチの息子が受験で大変なんだよ」とか、「ウチの娘が大学に合格した」とかの話しをすると、グッと距離が縮まるというものだ。他にも「昨日、阪神が勝ったね」とか「日本代表すごかったね」とかスポーツの話でも良いコミュニケーションになる。

どうやってリーダーとしての威厳を保ちつつ、仕事を円滑に進めていくのか。民間企業でもNGOでも海外事務所では、国際スタッフが常にマネージャークラスなので、非常に興味深い問題だ。これまで気軽にスタッフの家に遊びに行ったりしていたのだが、自分のスタンスを定めた上で自分なりの「線」というのを持つ必要性を感じる。威厳と親近感のバランスの取り方はリーダーとなる人それぞれである、という聞こえはいいが答えになっていない結論で今日は締めよう。

最後に、威厳を常に保ちつつ、自分と部下の間を取り持つ「役割」を持った右腕を持つという手もある。自分一人の問題として完結せずに、組織としてギチギチする部分とガス抜きの部分を持たせるという相互補完的バランス維持法というのも一つの答えであろう。
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by aokikenta | 2006-08-17 02:27 | 日記(カブール)


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