2005年 07月 13日
2005年7月17日(日) 「7日目 王家の谷」
 9時ごろ、Hに起こされて目覚めた。もっと寝ていたかったのだが、朝食を取れる時間が決まっているらしいので朝食を取りに行こう、ということであった。仕方なく、眠たい目をこすりダイニングへ行った。朝食はビュッフェ形式で、目移りするほどいろいろなものが置いてあった。やはり高級ホテルは朝食も豪華だ。食べ終わると、部屋に戻り、もう一度寝てしまった。おかげで体調は大分回復したようだ。

 今夜はカイロへ向けたワゴン・リーと呼ばれる夜行列車に乗るので、駅に荷物を置きに行った。アスワンと同じ要領でロッカーに荷物を預け、ルクソール観光のメインである王家の谷へ向かう事にした。王家の谷とは、トトメス1世以降の歴代の王が墓を作った場所で、お墓の数にすれば50ほどはあったと思う。ルクソールはナイル川によって、西岸と東岸に分かれており、王家の谷は西岸に位置する。日が昇る東岸は「生きる者の都」、沈む西岸は再生・復活をイメージさせることから「死者の都」というような意味合いがあるということである。

 入り口でお金を払えば、3箇所まで見られる。どのお墓にも壁画があり、壁画の保存具合が素晴らしかった。この3箇所以外にも、別料金を払ってツタンカーメンのお墓を見学した。このチケットは他の観光地のチケットと比べて値段が高く、値段が高い分だけ期待も大きかった。しかし、正直言って期待はずれだった。発掘された当時、このツタンカーメンのお墓は盗掘されていなかった為、財宝で埋め尽くされていたという。現在はその全て(ツタンカーメンのミイラを除く)が、カイロの考古学博物館に収められている。従って、お墓の中はほとんど何もなかった。ツタンカーメンのお墓だと聞かなければ、それは他のお墓と何一つ変わらないどころか、むしろ小さいくらいであった。これだけ批判すると、何も得るものがなかったのか、という話しになるが、実際はそうではない。翌日、カイロの考古学博物館に行ったのだが、ツタンカーメンのお墓を見ていたおかげで、カイロにあるツタンカーメンにまつわる展示物が、ルクソールのあの墓にあったのだ、ということがリアルに感じられた。発掘した時の、カーター卿の興奮が伝わってきた。

 我々は、王家の谷を後にすると、ハトシェプスト女王葬祭殿へ行く事にした。とても保存状態の良い神殿で、巨大すぎず見学後にさわやかな印象を残す建物だ。

 次は、ラムセウムと呼ばれる葬祭殿に向かった。本当はラムセス3世葬祭殿に行きたかったのだが、券売所で、「ラムセス」と行ったところ、相手は勘違いしてラムセウムのチケットをくれたのだった。僕等としては、そんなに紛らわしい名前の建物があるとは知らなかったので、全部の名前では呼ばなかったのである。いずれにしてもチケットを買ってしまったので仕方がなくラムセウムへ行く事にした。

 ラムセウムは観光客が僕等以外にはいない穴場的な場所だった。人気はないが、これが存外によかった。ラムセス2世(アブシンベル神殿の巨大な石像もラムセス2世)のかなり大きい石像がいたる所にあり、石柱もかなり大きい。この葬祭殿は、当時は縦に170メートル、横に260メートルあったということで、サッカーコートで言うと4面くらいあったことになる。現在は、損傷が激しく一部分しか残っていないが、当時の繁栄を容易に想像することができた。はじめ、仕方がなくやってきたのだが、案外、この日見た中で一番よかったかもしれない。

 半日近く移動し続けていたので、僕等は東岸へ帰ってホテルで休憩することにした。ボートで戻り、歩いてホテルまで戻った。少しだけ両替をして、トイレを済ませて、フルーツジュースを売る店を探す事にした。エジプトに来てから、体調を崩していた事もあって、フルーツがおいしく感じられた。それに、町をあるけばいたる所にフルーツを軒先にぶら下げたお店があったので全く不自由しなかった。ホテルから歩いて10分くらいした所にあるフルーツジュース屋さんで休憩をした。フルーツポンチを1つ注文する。一口食べてみる。冷たくておいしい。一気に食べ干す。そしてためらわずにもう一つ注文。これまた一気に食べ干した。最後は、マンゴージュースで締めくくり、大満足であった。

 この時すでに夕方の6時を迎えていたので、多くの観光地には行けなくなってしまった。少しお腹が空いた事もあって、マクドナルドへ行く事にした。エジプトに来てから、マクドナルドへはカイロで一回行った。エジプトでのマクドナルドの社会的地位は、日本でのマクドナルドのそれとは大きく異なる。日本では中学生や高校生が行く場所、というイメージだが、エジプトでは高級な食べ物の部類に入る。セットで頼むと15エジプトポンドくらい(約300円)なので、先進国の値段とさほど変わらない。それ故、現地の人々にとってはなかなか入れない場所なのである。マクドナルドとしても経営の戦略が、先進国とエジプトでは違うようである。まず、どこにでもあるというわけではない。日本のように主要な駅全てにあるということはない。代わりといってはナンだが、主要な観光地がよく見える場所には必ずマクドナルドがある。これは、おそらく集客の為に入念に選定されているので立地条件が最高なのである。例えば、ルクソールのマクドナルドは、ルクソール神殿のすぐ側にあり、3階からはとても良い景色が見渡せる。聞くところでは、ギザにあるマクドナルドからはギザの3大ピラミッドとスフィンクスがよく見えるという。その他にも、大衆レストランとの差別化を図るため、英語が話せる従業員を雇っている。おそらく大量にやってくる観光客に配慮してのことだろう。また、これは先進国のマクドナルドとの違いというわけではないのだが、冷房が効いていて気持ちがいい。少し寒すぎるというくらいに冷房が効いているので、歩きつかれた時には、また行こうかなという気分になるのである。

 マクドナルドではビッグマックセットを注文した。日本で食べるビッグマックと味は全く同じであった。当然のことなのだが、少し不気味だと感じたのも事実。なんと、ここではビッグマックを食べきることができた!体調はもうほとんど戻ったようだ。それほどすることもないし、涼しいので話しをしながら長く居座った。

 ワゴン・リーの発車は夜9時30分だったので、まだ時間があった。歩いてすぐいけるミイラ博物館へ行く事にした。ここには人間以外のミイラ、例えば、羊や猫などのミイラが展示されている。ミイラにする技術を身につけた人は、とにかく何でもミイラにしたくて仕方がなかったのかなとも思ったが、きっとそういうわけではないだろう。それなりに楽しめた。

 タクシーで駅へ行き、遅れてやってきたワゴン・リーに乗車。外国人専用の夜行列車なので、清潔で快適だ。2部屋に別れ、僕はHと二人部屋になった。夕食の後、駅員さんが2段ベッドを用意してくれた。手足を伸ばして寝られるスペースが狭い部屋に出来上がった。これには、セネガル帰りのHも、イギリス生活中の私も感心してしまった。

 シャワーはないので、手足を水道で洗ってベッドに入る。疲れからか、本を読むつもりがすぐに寝入ってしまった。もう旅の終わりは近い。
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by aokikenta | 2005-07-13 03:38 | (番外編)エジプト旅行記


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