2006年 07月 06日
老人と鳩の戦い
 起き抜けに煙草を吸いながら窓の外に目をやると、毎日、隣の家の屋上にいるおじいちゃんの姿が目に入る。隣の家の屋上にはビニールシートでできた小屋のようなものがあって、小屋の柱と桟に使われている鉄骨には、すすめ一羽入り込む隙間がないほどの鳩が泊まっている。おじいちゃんは鳩が集まってくると見るやいなや、おもむろにはたきを持って現れる。おじいちゃんは集まった鳩たちに向かって必死の形相ではたきをかけはじめる。はたかれたくない鳩たちはくもの子を散らすように飛び散ってしまう。してやったりと、満面の笑みのおじいちゃん。

 しかし、おじいちゃんの姿が屋上から見えなくなるとすぐに、鳩たちは再び小屋に集まってきてしまう。しばらく交わされる鳩たちの歓談の後、再びおじいちゃんは現れる。右手にはしっかりとはたきを握り締めて。こうして、ユーラシア大陸の真ん中に位置する紛争によって荒廃した国の中の、首都と呼ぶよりも場末の食堂を思わせる街の一角で、老人と鳩の終わりなき戦いは今日も繰り返される。
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by aokikenta | 2006-07-06 22:42 | 日記(カブール)


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