2006年 07月 06日
カーブルIED連続爆破
 カーブルの治安が悪化している。昨日に続いて今日も市内で少なくとも2件のIED(即席爆発装置:Improvised Explosive Devices)の爆破があった。1件目は、第2地区において、IEDを積み込んだ果物売りが使う荷車が、ANA(アフガン国軍:Afghan National Army)兵士が乗るバスをターゲットにしたようだ。バスはコントロールを失い、傍にある燃料やガスを売るお店に突っ込んだ為、大規模な爆発になった模様である。報道によれば8人が重軽傷を負ったという。

 2件目は、第11地区において、同じく荷車に仕掛けられたIEDがMoC(商業省:Ministry of Commerce)のバスをターゲットにして爆発したようだ。1人が死亡、4人が重軽傷を負ったと報道されている。

 南部のヘルマンド州・カンダハル州では連日のようにタリバンとアフガン国軍が衝突しているとの報道がある一方で、カーブル州は比較的穏やかな治安情勢が続いていた。そこへ来て、今回の連続IED爆破事件が起こり、緊張感が高まっている。とある情報筋では、アルカイーダが犯行声明を出したと言われているが、情報は未確認である。

 今回のテロが起こった背景には、カルザイ大統領が東京会合に出席するためにアフガニスタンに不在であったことがある。日本が国際社会で主導してきたDDRの終了に関してと、今後日本が主導するDIAG(非合法武装グループの解体:Disbandment of Illegal Armed Group)に関して協議を持つために留守にしたカルザイが寝首をかかれた形になった。偶然の一致かもしれないが、トップがいない隙に行えばインパクトが大きいだろうというテロリスト側の心理はあったことであろう。

 既に大統領選挙・議会議員選挙を終えて平和創造段階から平和構築段階へと移行したアフガニスタンでは、国際社会の支援の焦点は(1)地方総合開発や(2)インフラ支援などへと移っていく予定であった。しかし、昨今の治安情勢を鑑みると、治安分野改革に引き続き力を入れて取り組むという方向に変わるかもしれない。

 未確認情報ではあるが、タリバンやアルカイーダは自爆テロやIEDの設置などを行う人間をリクルートする為に、貧しい人に「これをしたらお前の家族に多額の補償をしてやる」とそそのかしテロリストを育成すると聞いたことがある。blogの中で何度も書いてきたことではあるが、テロ事件という表層の下に横たわる根本的原因には、国際社会からの援助の恩恵を享受できない人々が抱える貧困や抑圧があるように思えてならない。アフガニスタンの治安分野改革に関わる政府高官やドナーコミュニティーは、結果(不安定な治安)と原因(貧困やその他の背景となる原因)の因果関係をよく検証して、その上で根本的な原因を取り除く努力をしてもらいたいと思う。そうした努力がなければ、アフガニスタンに真の平和はなく、インフラ整備や活発な経済活動を期待することはできないであろう。
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by aokikenta | 2006-07-06 02:34 | 日記(カブール)


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