2005年 07月 16日
2005年7月14日(木) 「4日目 ピラミッド三昧」
 さて、今日はカイロ近郊にあるピラミッドをいっぺんに見てしまおうと決めた。事前に申し込んで追いたホテルのツアーに申し込んでおいたのだ。ツアーといっても、タクシー1台にドライバーと我々3人が乗るだけなので、要するにタクシー1日貸切ということである。1人40エジプトポンド(約800円)なので、それほど高いという事もない。7時45分に起き、軽い朝食を済ませて8時30分に受付でドライバーを待った。

 時間通りにやって来た。40代と思われる頭の禿げ上がった恰幅のいい男性で名前を「ハマダ」と言うらしい。はじめは冗談かと思ったが、みんな「ハマダ」と呼んでいるので、どうやら本名らしい。たしかに、アラブの国で「ハマダ」という発音はあり得るかもしれないな、などと考えた。とても陽気な男で、僕等を楽しませようと必死なことが伝わってくる。静かなドライバーよりも楽しそうでいいだろう。

 我々は、まずはじめに、カイロから車で約1時間のダハシュールへと向かった。途中ナイル川に架かった橋で小休止。ナイル川は水が汚いのかと思いきや、案外綺麗で驚いた。この川が4000年以上も昔から現在まで連綿と流れ続け、世界四大文明の一つであるエジプト文明を生み出したのかと思うと、感慨深いものがあった。確かに、旅を終えて感じたのは、エジプトの殆どは、生活するのが難しいような砂漠であるということ。その中にあって、当時の世界で最も高度な文明を発達させたというのは、ナイル川のおかげと行っても言い過ぎではないだろう。
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 1時間ほどで砂漠地帯に突入。券売所でチケットを買い、車でダハシュールの敷地内に入る。曲がりくねった道を抜け、まっすぐな軽い登り道をしばらく走っていく。道端には石が壁のように視界を邪魔しているのでよく景色が見えない。5分ほど走っただろうか、ようやく、道端の石がなくなり視界が開けた。と思った矢先に、正面にピラミッドが我々を待っていた。威厳をたたえたそのたたずまいは目を背けたくなるほど恐れ多いものに感じられた。我々は、その「赤のピラミッド」と呼ばれるとても美しい形をしたピラミッドを見学することにした。

 このピラミッドは中に入って見学することができる。100段ほどの階段を登り、入り口に到着。門番に「アサラムアライコム」と挨拶をして中に入った。いきなり50メートルほどの狭い下り坂があり、これをくだるのが相当きつかった。下まで降りると、中は意外と広い空間になっている。ひんやりと石の涼しさが肌に感じられる。到着した部屋とは別に階段を登るともう一部屋存在する。今となっては何もないが、ピラミッドが造られた当時は、財宝で埋め尽くされていたことだろう。

 続いて、「屈折ピラミッド」と呼ばれる一風変わったピラミッドを見学。このピラミッドは、途中で建設の計画を変更したらしく、地面から何十メートルかまではすごく急な角度なのだが、あるポイントからは緩やかな角度になっている。ガイドブックによれば、建築途中で地盤沈下があり変更を余儀なくされた、ということであるが、地面からそのポイントまでの角度で建設を続行していたら、不安定で危なっかしいピラミッドになっていただろう。でも、この建築計画変更のおかげか、まだピラミッドは存在しているので、その決断は正しかったのだろう。

 続いて、サッカラというエリアへ移動。また、券売所でチケットを購入し、ピラミッド近くまで車で
移動した。ここは、ジェセル王のピラミッドで有名な場所である。このピラミッドも、僕がイメージしていたものとは違い、ピラミッドの壁面が階段状になっている。後にこれが、ギザにある美しい形をしたピラミッドへと進化したということなので、それ以前に造られた実験的と言ってはしつれいかもしれないが、そういったピラミッドである。
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 中には入れないので、周りをぶらぶらと歩いていると、エジプト人のおっさんが、「案内してあげるからついて来い」と熱心に僕等を勧誘する。これは、後でバクシーシ(チップのようなもの)を取られるに違いないと思ったので無視して振り切って行こうとしたが、なおも熱心に誘ってくる。「普通の人では見られない場所へ案内してあげる。私は鍵を持っている。そこにはすごい壁画があるぞ」と言ってくるので、面白そうじゃないか、と急遽予定変更してついて行くことにした。

 通常の観光客が行かないような道へと入っていく。こんなところに来ていいのだろうか、でもガイドが連れてきたんだから大丈夫なんだろう、と思いながらなおもついて行くと、神殿の陰にある小部屋に連れて行かれた。勧誘の時は鍵を持っているといっていたが、実際には鍵がかかっていない・・・。これは騙されたな、と思いつつ案内をしてもらう。その小部屋には壁一面に壁画が描かれている。色も少しではあるが残っておりなかなか、騙されたにしてはいい感じである。説明を一応英語でしてくれるのだが、何を言っているのかよくわからない。とにかく、大昔にできたこと、象形文字が書かれていることを一生懸命説明してくれる。この部屋の説明が終わると、まだあるという。結局、もう一つおなじような部屋を見せられた。もう疲れたので、じゃあこのへんで、というと、「バクシーシは?」とお金を要求して来た。わかってはいたが、最初にお金かかるというようなことを全く言っていないので、なんとなく腹が立った。3人で話して、1エジプトポンド(約20円)をあげることにした。1エジプトポンド札を渡すと、「えっ!?これだけ?」というような顔をして、これだけ暑い中これだけ説明して1ポンドはない、とまた延々と説明し始めた。面倒だったので、まるで聞こえない振りをして外に出た。

 歩いて、ピラミッドの方角へ歩いて行くがしばらくついてきた。さらに歩くと、ようやく諦めた。たしかに、あれだけ拘束されて20円はないかもな、と少し同情してしまったが、それを言い出すと街中にいる全ての物乞いには同情しないのか、という話しになってくるのでそれ以上考えない事にした。タクシーへ戻り、最寄のレストランで昼食をとる。このあたりから、僕の体調はだんだんおかしくなってきていた。

 振り返れば、朝トイレに行った時に、調子が悪いなとは思っていたのである。何も変なものは食べていないにも関わらず便がゆるくなっていたのだ。それでも午前はなんとか大丈夫だったが、炎天下の中歩き続けたせいか、昼食はほとんど口に入らなかった。肉を見ると気持ち悪くなってきて、とても喉を通りそうにない。どうも体調が悪いと仲間には伝えておいた。

 タクシーに戻ると次はパピルス博物館へ行くと言う。そこへはすぐに着いたのだが、体調はどんどん悪くなってきて、とても歩いて見て回れそうにない。HとMさんだけに行ってもらって僕はタクシーで休憩することにした。横になるとすぐに寝てしまった。

 原因はなんだったのだろうか。今でもよくわからないが、おそらく最大の原因は暑さである。日本の夏に夏バテした時のようなダルさがあったからである。エジプトの気温は平均でも40度くらいはあっただろうか。滞在中、一度46度ということがあった。イギリスは夏とは言え、20度くらいが平均だとおもうので、その差26度。体がついていけないはずである。本来体を労わらなくてはならないはずなのに、着いてから特に体への気配りをしてこなかった。また、次の原因は食あたり・水当たりだろう。特に腐ったものを食べた記憶はないのだが、水分が失われていくので、がぶがぶミネラルウォーターを飲んだし、露天で売っているフルーツジュースや軽食を食べていた。これら全ての要素が原因となり体調を崩してしまったのだった。

 1時間ほどたったのだろうか、ドライバーとHとMだんが戻ってきた。次は、ようやく本日のメイン、ギザの3大ピラミッドとスフィンクスを見に行くという。2人は盛り上がっているが、こちらはそれど頃ではない。やはり、見たいものは最初に見ておくべきである。そして同じように、食べたいものは最後までとっておかないで最初に食べるべきなんだなと、この時真剣に思った。高い授業料を払ったて学ぶ教訓がある。

 ギザにあるらくだ・馬を使ったガイドツアー屋さんに着いた。このタクシーは移動代だけを支払っているので、いく先々ではチケット代及びガイド代は必要であれば自費で払わなくてはならない。このガイドツアー屋はひどかった。さんざん、「中では見学の為にチケットを買わなくてはならない。この値段で全部込みでどうだ?」というような形で、そうとう高い値段を吹っかけてくる。ガイドブックを見てそれぞれのチケット代を足しても到底そんな値段にはならない。そうすると、その「ガイドブックは古いから当てにならない」と言い出すのである。一体何を信じていいのかよくわからないが、それでも、新料金を全部足しても儲けが出る値段で言ってきているのは確かである。30分ほど交渉は続いた。値段がなかなか下がらない。「時間がない。もうすぐで全部しまっちゃう」と時間を使って交渉を有利に運ぼうとする。時間的制約が出てくるとこちらの交渉が不利になってしまう。わかりながらも、どうしてもギザのピラミッドをたくさん見たいということで、結局、一人50ポンド(約1000円)で交渉成立した。今思えば、これがこの旅で一番のぼったくりである。

 なんにしろ、念願のらくだに乗ってギザの3大ピラミッドを見ることができた。体調は、普通の観光名所くらいならパスしたいくらい最悪だったのだが、今回の旅行の中でも最大の目玉であるピラミッドとスフィンクスを見ずしてイギリスには帰れないと思い、無理やり行く事にした。しかし、気持ちがあってもやはりきついものはきつい。らくだは結構ゆれるのでそれが気持ち悪さに拍車をかけた。帽子を被ってはいるものの、逃げ場のない暑さが体にまとわりついてくる。写真にだけはなんとかおさめて1時間30分ほどのツアーを終了した。感想を述べるのは難しい。第一に体調が悪かったのでよく見れなかったことと、すでに他のピラミッドを午前に見ていたので見慣れてしまったことが挙げられる。とても美しいとはいえ、ピラミッドはピラミッドなのである。観光に順番は大事だ。しかも、ぼったくられた、という精神的ダメージがあり楽しみきれなかったというのも正直なところだ。実を言うと、我々を乗せたらくだは券売所に寄らず裏口から敷地内へ侵入したのである。入ってすぐに警察官が乗ったらくだがやって来て、賄賂を要求してきた。我々のガイドは何もなかったかのように、握手をかわした。その握手を交わす手の隙間からはお金の札がチラッと見えた。そう考えると、この警察官に、仮に10ポンド前後渡していたとしても、我々からの収入150ポンドからの差し引きをを考えると相当の利ざやがあったはずである。らくだの飼育費、ガイドの日当、くらいしかその他の支出はないはずである。その事実が僕から楽しみを少しだけ奪ってしまった。

 ツアーが終わると、すぐにホテルへ戻った。僕は夕食も食べず、すぐにベッドに横になると寝入ってしまった。
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by aokikenta | 2005-07-16 04:15 | (番外編)エジプト旅行記


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