2006年 05月 08日
美しさと暗闇
 肌を刺すような強い日差しの日が連日続いている。空が青い。アフガニスタンの空は本当に青い。人々は、何にも遮られない太陽の下でせっせと働いている。治安に関する一切の情報がなかったなら、なんて平和なんだろう、と思わずつぶやいてしまいそうである。

 表面だけを切り取れば、アフガニスタンは美しい。春には色々な種類の花が咲く。夏には雲ひとつない青い空が広がり、茶色の土を一面の緑で覆い尽くす。そして、そこに住む人々は客人へのおもてなしを忘れない純粋な心を持っている。
 
e0016654_2241622.jpg しかし、そんな美しい国アフガニスタンも中身をよく見てみると、何かが欠落してしまっているのである。醜い人間同士の争いによって失われてしまったものが多すぎる。家族が失われてしまった。建物が破壊されてしまった。戦った者は基礎教育を逸してしまった。

 アフガニスタンが失ってしまったものは、井戸のように深く、その中身は圧倒的に暗い。それは恋人と別れた後にぼっかり開いてしまった心の穴のようである。この穴を埋めるには長い時間と誰かの支えが必要だ。
 
 しかし、アフガニスタンはどこまでも人の心を惹きつけて離さない。とても容姿が美しいがどこかに暗闇を感じさせる女性のように魅力的なのだ。彼女が心を開いて、再び笑顔を見せてくれる日は来るだろうか。
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by aokikenta | 2006-05-08 22:46 | 日記(カブール)


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