2006年 03月 28日
『NGO、常在戦場』
 インシャッラー、飛行機は予定通り運行しイスラマバードに到着した。1泊して明日カブール入りする。

 機内で、『NGO、常在戦場』を読み終えた。言わずとしれたピース・ウインズ・ジャパンの統括責任者大西健丞による著書で、彼が初めてクルディスタンに入った時の様子から、PWJ設立・拡大の経緯、鈴木宗男との対決、そしてスマトラ沖地震支援まで時系列的に詳しく書かれている。同じ業界で働いている身として、興味深く読ませてもらった。

 印象に残ったことを3点。

 1点目は、資金繰りの問題からクルディスタンを撤退せざるを得なくなったにも関わらず、自分でNGOを作って舞い戻った事。そのバイタリティーが凄い。「知力で及ばない部分は体力でとりかえすしかない」(注1)という言葉が、彼の姿勢を表しているように感じた。

 2点目は、「NY発カブール経由バグダッド行きエクスプレス」(注2)という部分。これは、ニューヨークでの同時多発テロを見て、アメリカはまずアフガンのタリバン政権をターゲットにし、次にイラクのフセイン政権を標的にするだろうと予言した言葉だ。単純にキャッチーなフレーズなので気に入った。

 3点目は、日本がトルコとクルドを仲介して「地域紛争を未然に防いだり、対立を緩和したりすること」ができるのではないか、と将来を予想している部分(注3)。両地域を何度も訪れたことのある著者は、どちらの地域も親日家が多いことを挙げて、日本がこの地域でpeace-makingに一役かえるのではないかと言っている。こういうアイデアって大事なのだと思う。そして、肌で感じた予感というのは案外実現するものであり、ノルウェーがイスラエルとパレスチナを仲介したように(オスロ合意)、日本も国際平和の為に大きな役割を果たすことが可能であると思う。

 国際協力業界で働きたい学生にお薦めの1冊。

(注1)大西健丞『NGO、常在戦場』(徳間書店、2006)p.12

(注2)Ibid., p.100

(注3)Ibid., p.225
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by aokikenta | 2006-03-28 04:56 | 日記(カブール)


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