2006年 01月 25日
カブール・アイフル・借り過ぎにはご注意下さい
 今日は午前も午後も外出をしたので、やや忙し目の一日だった。午後の外出では、道が封鎖されていたので戻りが遅くなった。予定通りにはなかなかいかないな。

 こちらで働き始めて驚いたのは、給料の前借りの御願いが非常に多いことだ。まだ3ヶ月に満たない滞在だが、既に5回くらいは御願いをされた。理由は様々である。

「携帯電話を買いたいから前借りさせて欲しい」

「家にお金がもうないから前借りさせて欲しい」

「兄弟の具合が悪く病院に行かなくてはならないから前借りさせて欲しい」

スタッフの中には家が裕福な人もいるし貧しい人もいる。貧しい家の人には正直言って同情する。しかし、アフガニスタンでは仕事がない人は文字通り山ほどもおり、同情し始めるとキリがない。街には物乞いが溢れており、僕が道を歩いているとすぐに日本人とわかるらしく多くの物乞いが寄ってくる。

 一応僕にも人の心も情けもあるので、そういう人に本当に同情する。しかし、その場で数アフガニーをあげたところで根本的な貧困の解決にはならないので、よほどのことがないとお金をあげない。給料の前借りに関しても、特例以外には原則的には認めていない。

 開発に興味がある人の多くは、こうした葛藤を経験したことがあると推測する。物心ついてから初めて海外に行って、貧困を目の当たりにして頭を抱えた人は多いのではないだろうか?でも、同時に多くの人は、考えても簡単に答えがないから、考え始めると迷路に迷い込むから、という理由で真剣に考える事を意識的にせよ無意識的にせよ止めるのではないだろうか。

 僕にも答えは見出せない。物乞いにお金をあげて一食のナン代を助けることに意味があるのか。ただの自己満足のナルシズムなのではないか。はたまた、お金をあげないのは人の心がないからなのか。はっきり言って自分にもわからない。ただ、今の仕事を選んだということはこういう問題に真正面から向かっていきたいという自分のスタンドポイントを表しているような気もする。でも、それもただの自慰行為なんじゃないの?と言われたらどう反論したらいいだろうか。

 数学のように一つの解が存在しないからこそ取り組む価値があり、いろいろな考えを持つ人がいるからこそコミュニケーションをしなくてはならない。そうした活動の行きつく果てに、何らかの答えがあるのだと信じている。カブールを取り囲む寒々とした丘に夕日が沈む。この日本とつながる広々とした空に再び太陽は昇るだろうか。
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by aokikenta | 2006-01-25 02:14 | 日記(カブール)


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