2005年 07月 01日
2005年6月23日(木) 「6日目 終わりに」
 ついに、ドイツを去る日が来た。思えば、アッという間の6日間だった。満足のいく日本xギリシャ戦、ボンでの温かい歓迎、リアルタイムでは見られなかったけど日本xブラジル戦、どれも忘れがたい。この日のフライトは午後の1時だったので、早めに出発しなくてはならなかった。7時に起床。ユースホステルの朝食を取る。僕は乳製品が食べられないので、ユースホステルなどの朝食はほとんど食べられない。まず、コーンフレイクに牛乳をかけられないので食べない。パンにはバターをつけられない。そんなわけで、大体、口にするのは水1杯、何もつけないパン1つか2つ、砂糖だけを入れた紅茶などになってしまう。今回も、例に漏れずそのような朝食になったが、パンがおいしかったのでそれだけは救いになった。

 8時ごろのバスに乗り込み、フランクフルト駅へ向かう。そのまま、歩いてバスターミナルへ。フランクフルトハーン空港へは9時発のバスがあることを前もって調べておいたのだ。予定通り、9時発のバスに乗れた。昨夜は、早起きしなくては、ということが頭をもたげてよく寝られなかったので、バスの中ではぐっすりと寝た。11時頃に到着。日本xブラジル戦の再放送をやっているカフェに入り、ビールを飲みながら軽くサンドイッチを食べた。ドイツでのビールもこれが最後だ。思えば、深夜に到着した初日を除いて毎日ビールを飲んでいた。ドイツのビールは噂どおりおいしい。なによりカフェやバーの雰囲気がいいので、それがおいしさを倍化させてくれる。ビールとサッカーは僕の好きな物トップ2である。

 飛行機は予定通り出発。何事もなくロンドンへ戻ってきた。時差の関係で、フライトは1時間くらいだったにもかかわらず、ロンドンに着いたのは出発とほぼ同じ1時頃であった。少し得した気分を感じながら、ピカデリーサーカスへと向かった。列車はキングスクロス駅から出るのだが、今回僕が買ったチケットは午後7時半指定のチケットだったのだ。なぜ、そんなに乗り継ぎの悪いチケットを買ったのか、説明がいるだろう。本来は午後3時くらいのチケットを買う予定だったのだが、ブラッドフォードの駅係員に聞くと、午後7時半まで待てば、半額くらいのチケットが買えるということがわかった。なんでも、オフピークタイムはチケットが安いらしいのだ。1年近くもすみながらイギリスの列車のシステムはよくわからない。とにかく、安いのならそれにしようと思い購入を決めた。それに、ロンドンで少し、日本の本屋に寄りたかったし、中華街でご飯を食べたいと思っていたのでちょうどいいと思った。しかし、それが間違いの元であった。

 ピカデリーサーカス周辺には2件の日本の本を売る店がある。一つは三越地下の本屋さんで、もう一つはジャパンセンター2階の本屋さんである。欲しい本があったので、両方に行って聞いてみたが置いていないということであった。日本に帰る前にどうしても読みたかったので、値段は高いが、注文することに決め、三越の方で注文をした。2週間くらいで電話をくれるらしい。お店で買う値段と、国内配送料以外は変わらないということでそんなに悪くないサービスだと思った。

 本屋を出ると、次は日本食材を売るスーパーマーケットに向かった。ロンドンには僕が知る限り3つある。一つは、ジャパンセンター地下。二つ目は、SOHOにある「ありがとう」という名前のスーパー。三つ目は、「ありがとう」ちかくにある「ライスワイン」という名前の小さなスーパーである。厳密に比較したわけではないが、「ライスワイン」が一番安いのではないかと思う。そういうわけで、「ライスワイン」へ行き、うどん・そば・そばつゆ・天かすなどを購入。ここ最近暑いので麺類が食べたくなっていた。その他、中華街にある中華食材を売るスーパーにも寄り、いくつか食材を購入。やるべきことをやって、満足しているとお腹が空いてきた。以前、ロンドンで勉強している友人に教えてもらった中華料理屋に入った。フランクフルトで食べた焼鴨がまずかったので、リベンジとばかりに焼鴨麺を注文した。味は期待通り。大満足であった。連日、パンやポテトが続いていたので、体に染み入るようであった。やはりアジアの飯はうまい。

 いい時間になったので、キングスクロスへ向かった。疲れていたので、早く帰りたかった。しかし、遠足は家に着くまでが遠足、と小学校の先生によく言われていた通り、旅は家に着くまでが旅、なのであった。キングスクロス駅で列車の発着を知らせる電光掲示板を見てみると、ほとんど全ての列車が遅れ、もしくは、キャンセルになっているではないか。理由はというと、電光掲示板によれば、以下のようなことであった。

[Passenger Information]
Due to overhead wire problems in the Huntington area, delays are expected into and out of Kings Cross.
Please wait only on the train concourses.

技術的な問題なら仕方がないか、新しい情報が入るのを待とう、と考えてバックパックを地面に置き、その上に座った。季節外れの熱波が襲ってきたこのときのヨーロッパは、東南アジアを旅行したときを思い出させるような暑さであった。その上に、駅構内に、列車を待つ人がすし詰めになっているものだから、体感気温は軽く40度を越えていた。待っている人々は、誰もがイライラしていた。

 そんな中、GNERの駅員が拡声器を持って何かのアナウンスをし始めた。耳をすませて聴いてみると内容は以下のようなものであった。

「ハンティントン駅で発生しましたワイヤーに関わる問題により、全てのGNERのサービスは停止されました。復旧の見通しが立ちませんので、お急ぎでないお客様は、明日の朝、もう一度、駅まで来られることをお薦めいたします。尚、我々は払い戻しには応じません。」

・・・。唖然。
 
 そんな馬鹿なことがあるだろうか?自分の所のお客さんに迷惑をかけておいて、そんな言い方はない。保身以外の何者でもない。僕は怒り心頭であったが、周りのイギリス人で怒っている人はほとんどいなかった。みな苦笑いをしている。こういう態度に接するのには慣れているのかもしれないな。そう思った。その内、GNERの別の駅員が400ミリリットルくらいの水のボトルを配り始めた。そんなことをする前に、復旧をしてくれ。そこまで言わないでも、払い戻しはしてくれ。そう思いながらも水をもらい、「焼け石に水」だよ、とつまらない駄洒落を思いついてニヤニヤする僕であった。

 列車は復旧しそうもなかったので、急いでビクトリア駅に行くことに決めた。バスがあるかも知れないと思ったからだ。急いでブラッドフォードに帰る理由はなかったが、一晩ロンドンで明かすのは時間とお金の無駄である。幸いにも、8時半発のナショナルエクスプレスがあった。それを逃すと11時半発の深夜バスしかなかった。ラッキー、とつぶやき、19ポンドのチケットを購入。ブラッドフォードで高いお金を払ってでも乗り継ぎのいいチケットを買っておけば、こんなトラブルに巻き込まれないで済んだかもしれない。自分の判断を悔やんだ。しかも、地下鉄のチケットもいちいちシングルで買い3回乗ったので、計2x3=6ポンドも払ってしまった。トラベルカードだったら、4.3ポンドだったのに・・・。しかし、このようなトラブルが自分の身に降りかかるとは予想だにしていなかったので仕方ない。諦めよう。帰れるだけラッキーだと、自分に言い聞かせた。結局、バスは予定通りに出発したものの、何の理由かわからないが、大幅に到着が遅れ、ブラッドフォードに着いたのは午前1時30分を回っていた。6日間の旅行を追え、疲労を抱えながら、5時間以上バスに揺られ、ようやくブラッドフォードに到着したら、雨だった。この雨は、日本代表が予選敗退したことを哀しむ雨なのか、それとも、勉強を怠りドイツでビールとサッカーを楽しんだ僕への仕打ちなのか。いずれにせよ、雨の日は記憶に残るので旅の最後を雨で締めくくるには悪くないかもな、と思いながら帰宅した。シャワーを浴び、速攻で布団にもぐり込んだ。眠気はすぐにやって来た。満足と疲労を心地よく感じながら、こうして僕の旅は終わりを迎えた。

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by aokikenta | 2005-07-01 00:00 | (番外編)ドイツ旅行記


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